diary|2022/09

2022/09/30(Fri.)

起きた瞬間から体が重かった。鉛の毛布を被りながら生活している。

頑張ってバイトに行ったが、視界のところどころが白んで、軽い立ちくらみがずっと発生しているような状況だった。

 

2022/09/27(Tue.)

昨日の疲れを引きずって、何もできずに横たわっていた。久しぶりに何もないのに涙が出てくる状態になった。疲れているのだ。

 

2022/09/26(Mon.)|ピクニック、就活

いい天気なのでピクニック。

合同説明会なるものに出席したのだが、就活関連の私には合わないノリをもろに食らってしまってだいぶ疲弊した。

 

2022/09/25(Sun.)|お休みDay

昨日頑張って出歩いたので、その反動でぐったりして一日中寝ていた。

 

2022/09/24(Sat.)|大阪の肖像、フェルメール岡本太郎

スカッと晴れて気持ちがいい。今日は大阪の展覧会をハシゴします。

デルタに🚛

最初に中之島美術館に行って岡本太郎展の当日券を確保した。白状すると岡本太郎にそこまで関心はなく、中之島美術館に行きたかっただけなのだが、ついでに。16:00入場の当日券を確保し、もう一つの展覧会「みんなのまち 大阪の肖像」を観る。戦後のポスター、家電、復元住宅の展示が特に面白かった。

そこから大阪市立美術館へ移動して、フェルメール展。天王寺公園ではビールフェスが開催されており、顔を真っ赤にした大人たちがわんさかいた。市立美術館もありえないくらいにごった返していて、なかなか落ち着いて見られなかった。物販の列も長大で、ディズニーの小さめのアトラクションくらい並んでいた。ポストカードが買いたいだけなのに。

中之島に蜻蛉返りして岡本太郎展を観る。びっくりするくらいしょうもなかった。岡本太郎展はフェルメール並みに混んでいたのだが、それでも周りの観覧者が一体何をありがたがっているのか全然理解できなかった。岡本太郎の芸術観・創造観は素朴すぎる。特に絵画は似たり寄ったりのものが多くてつまらなかった。とはいえ『傷ましき腕』と『明日の神話』と晩年の最後の作品(?)は強度があってよかった。

 

2022/09/23(Fri.)|天気痛、自由意志WS、事務作業

低気圧のせいで一日中雨な上、頭もたいへん痛いので、家にこもっていた。食料を確保しておいてよかった。

涼しいので窓を開けて過ごしていたらゴーンゴーンとお寺の鐘の音が聞こえてきた。京都で暮らしていることを実感する瞬間だ。

13時からは三田哲学会の自由意志WSに出てきた。終了予定時間を1時間オーバーする盛り上がりっぷりであった。途中頭が痛すぎて、討議くらいからついていけなくなった。

論文を読む気分になれなかったので(なにせ頭が痛い!)、今日の残りの時間は、事務作業をせっせとこなした。先日終了した読書会のこれまでの開催情報を更新したり、新しく始まる読書会の告知文を作ったり。あと、これまでお世話になったことは幸運にもないのだが、国立国会図書館の個人向けデジタル化資料送信サービスを使ってみたくなったので、利用登録をしておいた。しばらくしたら本登録へ移行するためのメールが送られてくるらしい。

国立国会図書館に行ったこともないので、関西館でいいから今度見学に行きたい。

今日の素敵なもの

トモヱ乳業『まるでジューススタンド グレープ』

セブンイレブンにて黒くて艶のあるパッケージでいかにも高級そうなジュースがあったので買ってみたら当たりだった。パインアップルの方はまだ飲んでいない。グレープをグラスに注いでみたら、これまでみたことないくらい深い紫色(ほぼ黒)で驚いた。ちなみに、飲むと舌が真っ青になっておもろい。

すっきりとした甘さでくどくなく、皮あたりのあの渋い風味が感じられてよかった。もしかしたらもうちょっとぶどうの旨みがガツンと来るほうがタイプという人もいるかもしれないが、これはこれで美味しいです。ぶどうジュースが好きなので、ワインショップとかでいい感じのジュースがあったら飲みたい(私お酒は飲まないのです)。誰か教えてください。

 

2022/09/22(Thu.)|第21回なん読

今日も朝は7時に起床した。やや寝足りない気もするが、活動し始める。

午前中から大学に移動して、今日の夜開催のなん読のレジュメを仕上げる。バイトの時間まで相当集中してバリバリとレジュメを切ることができた。

肌寒かったので、秋冬用に買ったかっこいいデニムをおろした。なんとも言えない色合いで大変気に入っている。バイトに行くと、職員さんにシャツの方を褒められてしまった。デニムの方褒めて欲しいのだけど?と思ったのも嘘ではないが、服装を褒めてもらえるのはとても嬉しいので全然構わない。

うちの大学の学生なら多くの人が経験したことがあるだろうが、大学関係者以外にこの大学に所属していることを伝えると、「頭がいいね」とか「賢いね」とか褒めていただける。ご多分に洩れず、私にもその経験はあるが、服装を褒められる方がその何倍も嬉しい。

頭の良さを褒めることと服装の素敵さを褒めることには、それぞれ別の能力を用いているからだろう。前者は言ってしまえば、その人の属性などから直ちに推論することができる(それが誤りの場合もまああるのだが)。ともかく特定の属性からの論理的帰結として頭が良いという判断を下すことができる。しかしながら、服装の素敵さはそうした論理的帰結として判断されるような事柄ではない。

美学でもこのトピック(美的判断と道徳的判断など他の種類の判断をどう区別するかというトピック)が論じられているため、その手の話は手癖でやってしまう。興味がある人は(もし仮にいらっしゃれば)、スチュアート・ハンプシャー(Stuart Hampshire)の「論理と観賞(Logic and Appreciation)」(ハンプシャーは日本語であったか知らない)か、あるいはフランク・シブリー(Frank Sibley)の諸文献(論文が一本『分析美学基本論文集』に入ってるし、じきにシブリーの論文集が邦訳される)を見られたい。

夜は第21回なん読。担当でたくさん喋ったので喉がヒリヒリするが、心地よい疲れだ。疲れを感じるとき、活動による心地よさを伴うのであれば、それは疲れの中で最も望ましい類の疲れだ。

今日の素敵なもの

PAPIER TIGRE

papiertigre.shop

ステーショナリーを中心に取り扱うパリ発のブランド。最近は昭和西川とコラボしたブランケットや、TIGERとコラボした魔法瓶なども作っている。色使いがそんじょそこらの文房具とは違っていて、楽しい。ノートとかの表紙のデザインも素敵で欲しくなってくる。ノートなんか使わないのに。

東京に店舗があるらしいが、実物を見たいので関西の方にも店舗もがな。

僕はメッシュペンケースとウェブカメラカバーを愛用している。

papiertigre.shop

papiertigre.shop

 

2022/09/21(Wed.)|鴨川ピクニック、怒涛の活動ぶり

とても活動的に過ごした一日だった。疾風怒濤。嵐のような活躍ぶり。

朝起きる時間からしてまず違う。7時起床。なので鴨川ピクニックに赴いた。だいぶ肌寒くて秋が来たのだと実感した(昨日も同じくらいの気温だったが、家にこもっていたのでよくわからなかったのだ)。夏がウザすぎて早う去れとばかり考えていたが、いざいなくなると寂しいものだ。……やっぱ、嘘。夏はもう来なくていいです。永遠に初夏であれ。

鳥や犬、ジョギングに勤しむ人々を横目に、山本貴光『マルジナリアでつかまえて』(本の雑誌社、2020)を読んだ。この本は大変愉快なので、最近でた2巻目も読もうと思うのだが、その助走に1巻目を読み直しているという次第。

www.webdoku.jp

www.webdoku.jp

仁王立ちするサギちゃん

カモちゃん(元は動画だった。はてなブログに動画も載せられるようにしてほしい)

ここからさらにすごくて、レファレンスサービスで問い合わせをしたり、友人にお土産を届けたり、書店で本を物色したり、国家公務員試験説明会を受けたり、合間合間で論文も読み進めつつ、とどめにバイトまで入った。一体どうなっているんだ。流石に動きすぎたので、帰宅後はだいぶ頭が痛くなった。明日が雨なせいでもある。安静に過ごした。

これはおそらく当たるが、今週の怒涛の用事をこなすのにエネルギーを使い果たして、来週あたりにはダウンしていると予想される。のんびりやっていきましょう。

 

2022/09/20(Tue.)|フォントとレイアウトのワークショップ

季節の変わり目になるといつも次のように思う。夏の間には冬の寒さを思い出せないほどすっかり忘れてしまって、冬の間には夏の暑さを思い出せないほどすっかり忘れてしまうのだが、思い出す日というのがあって、今日はその日だ、と。

昼過ぎまであまり気分が優れなかったのだが、こちらのワークショップがあったので頑張って起き出した。

www.morisawa.co.jp

デザインとかクリエイティブというワードで引っかかりそうな会社に興味があるので受けてみたという次第。思ったよりも初歩的な内容で、これまでに自分で学習した内容をおさらいする機会だった。

デザインについては、この間スライドを作ったときに集中的に勉強したので、関連する過去記事を載せておく。

eudaimon-richo.hatenablog.jp

ポートフォリオの作り方として説明された内容は、スライドを作るときに念頭に置いていたこととほとんど変わらなかった。なんだ、僕が既に知ってることじゃないか。デザイナー志望の人たちが作るポートフォリオがより身近なものとなった。

Slackとかで日程調整をするときに、曜日に対応したリアクションボタンを押してもらいたい場合が多くて、その対応表をあらかじめ用意しておくと便利かなと思った。以前自分が作った対応表はこんな感じ。絵文字の形や色がはっきり区別できると見やすい。

  • 月|🌙🌕🌝🈷️
  • 火|🔥🕯️🚒
  • 水|💧🌊🚰🏊‍♂️
  • 木|🌲🌴🌳
  • 金|💴🥇🍺🪙💰
  • 土|🪐🌏⛰
  • 日|☀️🌻🌞🔅

 

2022/09/19(Mon.)|台風つらい

台風が接近している。特に家から出ることもなくその上京都は被害もほとんどないのだが、気圧が警戒レベルのまま24時間続いており、私がしんどい。台風には、風が強いとかの前に、単に低気圧が接近しているという問題がある。

 

2022/09/18(Sun.)|帰省、ディズニー、THIS IS A SWEATER.

しばらく帰省&ディズニーへ家族旅行をしていた。夢が叶う場所と巷で噂のあのディズニーである。想像よりもかなり暑くてしんどかったが面白かった。最近はリーナ・ベルとかいう桃色狐を小脇に挟んで連れ歩くのが流行りらしい。ダッフィーの仲間たちも知らない間に増えたものだ。

今日の素敵なもの

THIS IS A SWEATER.(ディス イズ ア セーター)

最近秋が近づいているので、秋冬ものの熱が高まっている。去年からこのブランドが気になっている。「THIS IS A SWEATER.」は米富繊維株式会社が2020年に始めた二つ目の自社ブランド。COOHEMをやっている会社でもある。COOHEMは一味も二味も違うニットがあって楽しいのだが、「THIS IS A SWEATER.」の安定感は別格だ。

ブランディングが素敵すぎて、ウェブサイトを見た瞬間に「うわーーーほしい!」となる。商品をじっくり見る前からほしい、まである。

www.thisisasweater.jp

最近タイポグラフィへの興味が加速していて、図書館で色々本を借りて、合間合間で眺めている。僕は真っ白の背景に黒字のサンセリフというデザインに弱すぎる気がするが、とはいえこのブランディングを貶すのはお門違いである。「これはセーターです。」という文を、ゴシックの日本語で「THIS IS A SWEATER.」の下にそのまま置くのではなく、セリフに負けない強めの明朝体で逆さにして置くのもこれまた効いている。

品数の少なさも好印象だ。TEATORAみたいな感じであまり型数を増やさずに、これこそがセーターと言えるようなものを作っていってほしい。

A1は正面から見ると本当にふつうのニットなのだが、後ろの首から肩にかけての継ぎ目が美しそうだ。実物が見たい。ちなみに、みんな大好きなブランドTHEの「THE "WOOL SWEATER"」もTHIS IS A SWEATER.のです。

 

2022/09/12(Mon.)|私は最悪

私は最悪の体調です。

 

2022/09/11(Sun.)|研究会、読書会

研究会と読書会に出た。体調が悪くなる予感がする。

 

2022/09/10(Sat.)|『私は最悪。』

昼前に大学に来て、本を借りたり読書会のテコ入れをしたりして過ごした。

夜は出町座にて『私は最悪。』を観た。以下ネタバレ注意

gaga.ne.jp

ノルウェーオスロを舞台に、レナーテ・レインスヴェの演じるユリヤが仕事に恋に奔走する物語。ユリヤは大学時代から医学を志すも、自らは肉体よりも精神に関心があると気づき、心理学に転向したり、はたまた「私は視覚の人間ではないか?」と悟り、写真家に路線変更したり、いかにもどこにも辿りつかなさそうな軽薄な人間として描かれる(ときには文章を書いたりもする)。この宙ぶらりんなあり方は恋愛においても発揮され、本編では特にこの恋愛の忙しなさにフォーカスした内容になっている。

序盤からユリヤはいかにもアドホックで芯のない人間として描かれている。ユリヤ自身がこの芯のなさにある種の引け目を感じており、それが物語全体を通して癒されていく。この映画が多くの人の心に残るのはそうしたセラピーが、映画を観る自分にも施されるからだろう。つまり、多かれ少なかれ若かりしユリヤのように何者にもなれないという絶望を抱いた人間は、ユリヤが行き着くべきところに行き着いた結末を見て安堵を覚えるというわけだ——私も行き着くべきところに行き着く、きっと大丈夫だ、と。

これはたいへん耳障りがいい話だが、ユリヤが最後に映画(ドラマ?)のスチルを撮る写真家としてなんとかやっていけているのは、ユリヤ自身が曲がりなりにも写真を長く撮り続けていたからではないかと思う。これは劇中にはあまり描かれておらず——そしてこの点こそが私がこの映画に見出しうる瑕疵なのだが——、恋愛に奔走していたらいつの間にか仕事をこなしているような様子になっている。だが、ユリヤが彼方へ此方へ目移りしながらも行き着くべきところに行き着いたのは、ユリヤ自身が自らの才能に疑問を抱きつつも、写真実践に長くコミットしてきたからだろう。ユリヤが救われたのは単なる恩寵ではない、というわけだ。

この点を見逃して「ユリヤは最後は写真家として成功!恋愛も仕事もうまくいかないことばかりだけど何とかなるヨ⭐️」という映画として見るのは、率直に言って欺瞞ではないかと思う。第一、ユリヤは写真家として何の問題もなくやっていけているわけではない。たしかに、以前にアクセルは描くべきものがわかっているが自分はそうではないと嘆いたときよりも成長している。スチルを撮る際にも、俳優にうまく声をかけていて、あたかも何を撮るべきかわかっているようだ。しかし、家(仕事場)に帰って写真をチェックするユリヤの顔は晴々しいわけではない。依然としてユリヤが悩みつつ写真を撮っていることがよくわかる。

また、ユリヤは写真だけを続けていたわけではない点も、私の読みを補強するのではないかと思う。実に、ユリヤは文章を書く営みも長く続けていたと考えられる。一番最初に名を上げた(?)のは「#MeToo時代のオーラルセックス」というエッセイであったが、その後も何かしら文章を書き続けていたと考えられる点があるからだ。一つには、アルヴィンがユリヤのゴミ箱から文章を見つけた点。もう一つには、これはシーンというより映画全体なのだが、本編を構成するプロローグとエピローグのほか12章の物語は、ユリヤによる自伝的作品だと解釈できる点。

かくして、ユリヤが写真と文章に長く関わってきたことが、ユリヤ自身を救うことになったのではないかと、私は考えている。単にその場その場の偶然に身を委ねるだけでは、ユリヤが破滅していた可能性だって十分にあるのではないか。本編ではこの点を描いていないことはないが、その描き方は実に控えめである。

とはいえ、この映画は映像も音楽もなかなか面白かった。脚本にこだわっているのはわかるが……という映画ではなかった。アクセルに別れを切り出す前にアルヴィンに会いに行くシーンとか、序盤は音楽多めで終盤はちゃんと静かにするバランス感覚も良かったと思う。

それに、アクセルを演じたアンデルシュ・ダニエルセン・リーの演技は実に良かった。本作のMVPだろう。特に第11章の、妊娠したユリヤを祝福し励ますシーンは白眉だった。耳もピクピク動いて表情豊かな俳優だ。とはいえ、アクセルばかり酷い目に遭っていてちょっとかわいそうだ。アクセルは何らかの仕方で救われていたのだろうか。

今日の素敵なもの

いい映画を見た後の帰り道

少し体が浮き上がったような不思議な感じがする。歩きだと尚よし。

 

2022/09/09(Fri.)|ずとまよプレイリスト、書評書き上げた

朝、早くに目が覚めてしまったので二度寝をしたら眠気が倍増して、結局昼前まで布団から抜け出せなくなった。とはいえ昼からは大学に来たのでよしとする。

ここ最近、自分でも活動量が増えてきたかなと思うのだが、それにはいくつか理由がある。第一に、前回の診察で薬の種類が一つ増えたこと。第二に、一日のそれぞれの時間において適切なムードの音楽を聴いてテンションを調整していること。第三に、夜遅くはあまり作業をしないようにして休むのに専念していること。

第二の点、つまり音楽について。「ずっと真夜中でいいのに。」は有名どころをさらうだけであまり熱心に聴いていないのだけれども、ずとまよが作った下記のプレイリスト(今日の素敵なもの)は大変よい。作業するときとか、夜リラックスするときにおすすめ。

このプレイリストを流しながら、午後はだいぶ集中して山口さんの『人間の自由と物語の哲学』の書評を書き上げた。会心の出来。そのうちまた生協の書評誌に載ると思います。最近山口さんの話をしすぎて、山口さんの回し者だと思われていそうだ。別に間違ってはないので構わない。

今日の素敵なもの

 

2022/09/08(Thu.)|プロフィール・カバー画像の更新、書評の準備

SNSプロフィール画像を更新していたら午前中が終わってしまった。

シン・プロフィール画像

シン・プロフィール画像 モノクロver.

一体全体何が変わったというのだ。実際、何も変わっていない。写り込んでいた埃やクズを除去し、ノイズを除去し、赤と白のコントラストをより控えめにしただけである。とはいえ、そうした細かい調整がロゴとしての魅力を増すのであーる。

ついでにカバー画像も変えた。

旧・カバー画像

シン・カバー画像

どちらも画面が二つに割れている——前者は木々の緑と空の青とで、後者は林と湖面とで——点では共通する。あと、どちらの画像も右側に重心が寄っているので、左にプロフィール画像が配置されるとビシッと決まる。が、シンの方が静謐な雰囲気で好みだ。ちなみにこれは長野県の御射鹿池(みしゃかいけ)。

午後は、山口尚さんの『人間の自由と物語の哲学——私たちは何者か』の書評を書くために、当書を読み直していた。特にクライマックスの第12-14章を重点的に。山口さんの語り口にはいつも惚れ惚れしてしまう。

今月も忘れず図書購入希望を出した。と言っても購入希望を出したのは図書ではなく映画なのだが。みんなも最近出してる?出さなきゃ損だよ。

今日の素敵なもの

落ち込んだペッパー

元気出して……

 

2022/09/07(Wed.)|フィルカル4(3)「特集2:山口尚『幸福と人生の意味の哲学』」

昨日書き上げたレポートを見直し。そして提出して、いい感じのスタートを切った。日差しが暖かくて風が涼しくて本当に気持ちがいい。さっそく鴨川にピクニックしに行きたかったのだが、昼からバイトがあったりして落ち着かないのでやめておいた。

これまで雑誌『フィルカル』は大学の図書館になかった——正確に言えば吉田南に3(2)だけあった——のだが、いつの間にやら文学研究科の図書館(東館の学術雑誌閲覧室)に入っていた。メディ文の分類で入っていたので、もしかしたら松永さんあたりが入れてくださったのかもしれない。

これ幸いということで、気になっていた4(3)の「特集2:山口尚『幸福と人生の意味の哲学』」を複写してきた。文学部の東館は建物がいい感じに古びていて素敵だと思う(確か法経館と同じく大倉三郎が設計?)。中庭に喫煙者が屯していて雰囲気はだいぶ怪しいが、なんだかそれも相まって——陳腐な表現だが——時間が止まっているみたいだ。一方の吉田南のキャンパスの建物はどれもプレハブみたいなダサさで、ボロっちくなることはあっても古びることはないだろう。恥ずかしい。

いい雰囲気

で、件の「特集2:山口尚『幸福と人生の意味の哲学』」はなかなか良かった。長門さんは山口さんの方法論を明らかにしつつバランスの取れたレビューを、八重樫さんは『幸福と人生の意味の哲学』についてズバズバと批判的なレビューを、そして髙村さんはめちゃくちゃ尖ったエッセイ(おそらく山口さんの議論を擁護しつつニヒルな若者を諭す体裁を取ったエッセイ)を寄せていた。三者三様でどれも面白かった。ちなみに、『フィルカル』4(3)は目次のページ表記と本文のページ表記が一致していない。それに、目次で村さんの名前が村さんになっている。

今日の素敵なもの

  • 夕方のCOFFEE HOUSE maki|
    暗くなるとmakiの裏口には赤いネオンが灯る。夜は営業しないので夕方ごろでないとこれは見えない。

 

2022/09/06(Tue.)|『NOPE』、BALの香り

午前中、それも11時より前の繁華街が好きだ。人通りもそれほど多くなく、その代わりに開店準備をするお店の人々や車両が行き交い、今まさに繁華街が動き始めようとしている様子。これが好きだ。

日本一の鰻・京極かねよの開店準備も奥ゆかしい

昨日の予告の通り、MOVIXに映画を観にきた。こちら。

nope-movie.jp

ゲット・アウト』『アス』の監督ジョーダン・ピールによる最新作『NOPE/ノープ』。以下、ネタバレ含むかもなので要注意。

素人目に見ても、ジョーダン・ピールは惹き込まれる、雰囲気ある映像を作る人だなと思うのだが、今作でもそうだった。そもそものロケーションがよい、ということもある。

序盤と中盤までは名作の匂いがプンプンしていたのだが、終盤でいよいよGジャンを撮影をする段(特にGジャンが第二形態になるくだり)が興醒めだった。ツルツルの円盤ないしエイのようなフォルムから、エヴァンゲリオン使徒みたいな形態に移行するのだが、移行後のこの姿が陳腐な感じで魅力が大幅ダウンである。CGのバキバキ加減(?)も相まって、『シン・ウルトラマン』のゼットン戦のようなしょうもなさを醸していた。

AKIRAのバイクスライドのオマージュだったり、Gジャンの使徒っぽいデザインだったり、日本のアニメからの影響があるのかもしれない。ひょっとすると僕が全然気づかなかったところにもっとあるのかも。

てなわけで後半はグダグダだったが、総じて贅沢な映像でおもしろかった。

予告編で『LAMB/ラム』の予告編を観てマジで不気味だったので、誰かと一緒に観にいきたい。

klockworx-v.com

映画を観た後は、BALのスタバで実習のレポートを書き上げた。えらい。そういえば、スタバで勉強している人のうち、特に問題集の問題をノートで解いているタイプの人で、捗っている人を見たことがないかもしれない。彼ら彼女らはノートを開いてはいるのだが、そのノートが全然埋まっていかないのだ。tabula rasaとまでは言わないが、薄目でみたらもはやそうである。彼ら彼女らはスタバにコーヒーを飲みにきているのかもしれない。

レポートを書き上げた後のいい気分で、BALを入念に散策した。BALの店内の香りが好きすぎるので家で再現したい。(ちなみに、ここでいうBALの香りとは、1Fから4Fに顕著なあの香りである。5Fの無印良品くらいまで来ると香りは薄れている、あるいは嗅覚疲労でわからなくなり、地下階の丸善は紙の匂いが充満している。)かつてエントランス付近に位置していたニールズヤード・レメディーズの香りなのだろうか。正直よくわからない。というのも、ニールズヤードが1Fから4Fに移転した後も、依然多くのフロアに香り続けているから。もしかしたら1Fにあったときに既に建物全体を焚き染めてしまったのかもしれない。

とりあえず検索してみた。すると、やはり他にもBALの香りが好きという方がチラホラ。そしてショップのFacebookに辿り着き、香りの正体を突き止めた。しめしめ。今度お店の人に直接訊いて確かめてみよう。

今日の素敵なもの

BALの香り

無印良品 ポテトスティック ブラックペッパー

www.muji.com

 

2022/09/05(Mon.)|昨日の自分が面白いことを書いている

昨日の自分が面白いことを書いている。あるあるだ。

一方で、今日の僕は大変つまらないもの(博物館実習のレポート)を書いている。しかし、これは明日の僕にとっては面白いものになるかもしれないので我慢して書く。

明日は午後から雨だし大学まで行くのも癪なので、逆に(?)MOVIX京都に映画を観に行こうかな。(雨の日はバスを使いたくなるので、それで逆に少し遠くまで行きたくなる。三条が大学より遠いかと言うとちょっと微妙なのだが。)

今日の素敵なもの

 

2022/09/04(Sun.)|バランスを取ること

先日博物館実習が終わった。レポートはまだ残っているが。だいぶハードな日々だったので土日はずっと寝込んでいた。私くらいになるとこの程度の不調は当然予期できるので、食料も備蓄してあるし、なんのことはない。のんびり過ごした。

就活のことを考えている。この調子でいくと、フルタイムの勤務なんか到底無理に思えてくる。依然として体調はそんなによくないし、いっそのこと障害者手帳を入手してしまうのも一つの手かもしれない。オープンに就活するかクローズに就活するかはさておいて、手帳があれば少なくともどちらを選択することもできるが、手帳がなければ選択の余地すらない。

概して選択肢は多ければ多い、というのは明らかな間違いなのだが、このケースにおいては、選択肢は1つより2つの方が望ましいだろう。

ここ1年くらいの私のテーマになっているのが〈バランスを取ること〉だ。アリストテレスが中庸と呼ぶところのそれ。身の回りを具に観察していると、結局のところ物事はちょうど良い均衡を探すのがベストだ、ということになりがちである。

どのような局面においても要はバランス、という教訓は、もしかするとつまらないものに映るかもしれない。なんでもかんでもバランスの問題になってしまう(それゆえに、取りこぼしてしまう生活の諸相があるのではないかと思われる)からだろう。

しかし、このつまらなさが生じるのは、バランスを取ることについての理解が浅いからではないかと思う。バランスの取り方というものは、個々の場面で都度判断されるものであって、なんでもかんでもバランスの問題だとしても、そこにただひとつの問題と回答の組が存在しているわけではない。バランスの問題はそもそも多様な問題が撚り合わさったものであって、それぞれの問題について最も適した均衡を取ることが望ましい解決だ。つまり、「バランスの問題」とは、それに対する適切な回答がおおよそ〈バランスを取る〉という特徴——それも極薄の特徴——によって束ねられた雑多な問題群に対して与えられた名である。こういうことだ。

哲学のスライドのつくり方

はじめに

先日、初めての学会発表をしたが、これは同時に、初めて公の場で自分が作ったスライドを披露する機会でもあった。これより以前にスライドを作ったのは、おそらく学部2回生の頃が最後で、そのときでさえ無手勝流のスライドだったので、学会発表を機にスライドの作り方を初歩から学び直した、という次第。

 

eudaimon-richo.hatenablog.jp

 

本ノートでは、私がスライドのデザイン面で勉強したことや気をつけたことを記しておく*1。私の備忘録でもあるが、他の方が参考にすることも当然できる。

 

哲学分野やその他のいくつかの人文科学系の分野ではテキストが多く、かつ図や表が少ないため、学会発表の際にもスライドを使わない——その代わりにレジュメを使う——場合がある。たしかに、レジュメによる発表にも多くの利点があるが、〈スライドを使うという選択肢がないから、あるいは見やすいスライドを作ることができないから、レジュメ形式を採る〉というのは不健全だと思う。レジュメにも欠点はあるのだし。

それに、スライドの代わりにレジュメを使う〈テキストが占める割合が多いから〉という理由は、次のことも示唆している。すなわち、スライドデザインで気を使うことが(画像や表や図形をあまり使わないため)少なく、それゆえ少しの工夫でスライドを改善できる、ということを。

 

まずは私が実際に使った参考書等を挙げて、次いで私のスライドを例に挙げながら、工夫をいくつか紹介する。

 

参考書等

とりあえずこれを挙げておけば間違いない。資料デザインの本としてはアルファにしてオメガだ。

本|『伝わるデザインの基本 増補改訂3版 よい資料を作るためのレイアウトのルール』

この本は実のところ、スライドに限らず、Wordなどの文書やポスター、リーフレットやチラシを作るときにも使える。資料デザイン一般を扱った本というわけだ。

巷の資料デザイン本、スライド解説本には、「ここしろああしろ」とうるさくて独断的なものも多いが、この本は穏当で説得力があり、一線を画している。情報がしっかり詰まっているし、巻末には資料デザイン例も載っていて親切だ(ダメな例とその改善例が紹介され、しかも改善例は複数載せられている)。

 

同著者らが制作したサイトもある(本と重複する内容も多い)。なんならこれを見るだけでもスライドは見違えてよくなる。

Webサイト|「伝わるデザイン|研究発表のユニバーサルデザイン

tsutawarudesign.com

 

私はこれも参照した。スライドづくりはもちろん、プレゼン中のしゃべり方を含め、プレゼンとは何たるかを包括的に説明する本。

本|『できる研究者のプレゼン術 スライドづくり、話の組み立て、話術』

同じ講談社から出ている『できる研究者』シリーズ(?)には定評があるが、この本は『できる研究者の論文生産術』ほどではなかった。具体的なtipsも多いのだが、その反面でちょっと散漫かもしれない。気になる章をパラパラ見る程度でもよい。

ちなみに、この本は先の『伝わるデザインの基本』の高橋さんと片山さんが翻訳・監修を務めている。

 

実際に人がやっているのを見たほうが、スライドのつくり方がイメージしやすい場合もある。私は次の動画も参照した。

動画|PowerPointスライド作成実演ライブ ①必修編


www.youtube.com

具体的には、箇条書きの印などを参考にした(印の種類・大きさ・色を変えたりする工夫を真似た)。何を配慮して、どのようなデザインにするかがわかるやすい。「①必修編」の後半や、この続編である「②スキルアップ編」は作画に重きが置かれている。哲学分野の方にとっては「②スキルアップ編」はあまり必要ないかもしれない。


www.youtube.com

 

図書館や書店で適当に手に取ってざっと確認したものもあるが、ちゃんと参照したのはこの程度。以上でも十二分だと思う。

あとは知っている研究者のスライドを眺めてみたりもした。残念ながら、これは真似できるぞ!というスライドにはあまりお目にかかれなかったのだが、素敵な(素敵すぎて真似できない)スライドも少しあったし、一方で、その何倍もの数の残念なスライドがあった。

スライドづくりにおいて、こうすべしという唯一の解はないとしても、見にくくダメな例は割合はっきりしている。こうしたスライドを見つけたら、どうすれば改善できるかを考えて、自分のスライドづくりに生かせると有意義だ。

もう少し精神的な面でも、これらの残念なスライドは役に立つ。私は真面目すぎるがゆえに、スライドのつくり方などを指南する教科書を読むと辛くなりがち(完璧を目指すが完璧は難しいから!)なのだが、このときにダメスライドを見ると、心を落ち着かせることができる*2

 

私のスライドのつくり方

さて以下では、私自身がスライドをつくる際に気をつけたことを、実際につくったスライドを示しながらいくつか紹介する。一般化できない点も、もちろんある。

 

スライド全体

フォント

基本ヒラギノ角ゴ。線の両端が漢印みたいになっていて好き。

メイリオは懐が広い分間抜けな感じに見えなくもないので使わなかった。

サイズは(あくまで目安だが)箇条書きの最初の階層は28pt。次いで24pt、20pt。

 

  • 文字色|グレー #373430
  • 背景色|白 #FFFFFF
  • メイン| 水色 #497FB8
  • 強調|橙 #D85846

文字色は黒ではなくグレーにして目に優しくした。黒白バキバキで作るのもかっこいいが、私は目がチカチカして辛くなってくる。
色はたしかNotionからとってきた気がする。

 
タイトル

タイトル(氏名・所属は一応マスキングした)
  • 改行位置
    1行でびゃっと書いてしまうのもありだが、文字を大きくすることと、「2つの意味」と「3つの存在論的区別」の要素を目立たせることを考慮して、3行にした。
    コンテンツでも改行位置を工夫すれば読みやすくなることがある。タイトルほど神経質になる必要はないが、簡単に調整できる箇所であれば、惜しみなくやるべき。
    (哲学系の人たちのスライドだとコンテンツの改行位置に気をつけているものはほとんどないような気がする。)
  • ジャンプ率を大きくする
    ジャンプ率——文字の大きさの落差——を高くすることで、タイトルに目がいくようにした。学会や開催日、氏名・所属は、相対的に小さいサイズに。

なるべく目立つタイトルスライドにして、そのままSNSでの宣伝にも使用した。

 

チャプター・セクション見出し

チャプター見出し

セクション見出し

スライドを統一的な見た目にしたかったので、青の四角形を余白を少し残して配置するデザインにした(この後紹介するコンテンツスライドもそう)。左上に青の四角をピッタリつけてしまうのもありだが、それだと全体が散漫になるのでやめた。余白を入れると画面が引き締まる。

  • フォントサイズの大きい文字は注意
    チャプター見出しにあるようなサイズが大きな文字はフォントの粗が出やすいので注意。今回の私のスライドは数字や英語もヒラギノ角ゴでやってしまったが、チャプター見出しとセクション見出しのボックス内の数字だけは別のフォントを使った。確かHelvetica Neue。
  • 現在の箇所を目立たせる
    セクション見出しでは、現在の節を目立たせる工夫をした。太字にする、色をつけるなど、色々やり方はあるが、私は半透明のボックスを読まない箇所に被せる形にした。引き算で強調する方法ですね。
    この工夫は目次スライドを提示するとき、あるいは文字数の多いスライドを提示するときにも使える。目次をそのままチャプター見出し/セクション見出しに流用することもできる。

今思えば、このセクション見出しがあるならチャプター見出しは要らなかったかもしれない。冗長。

各コンテンツに、セクション見出しを小さくしたようなもの——現在のスライドが全体のどこに位置するかを示したヘッダーなど——を挿入しているスライドも見かける。が、全体のどこかにいるかは、逐一セクション見出しのスライドを提示することでも意識できるし、コンテンツをシンプルかつなるべく大きく表示したかったので、各コンテンツにセクション見出しに相当するものは入れなかった(次の「コンテンツ」を見よ)。

 

コンテンツ

コンテンツ(大)

コンテンツ(小)

コンテンツ(引用)

コンテンツは最も頻繁に使うスライドなので、ここは気合を入れた方がいい。逆にタイトルとかチャプターは最悪適当でいい(最初の方に表示されるスライドなのであまりにも適当だと聴衆の注意を引きにくいだろうが)。

私は、「コンテンツ(大)」と「コンテンツ(小)」の二つを基本使うこととして、その中に適宜引用コンテンツを組み込むようにした。画像には「コンテンツ(引用)」とあるが、そのスライドの引用テキストボックスは「コンテンツ(大・小)」にも挿入されることがある。

  • コンテンツには階層を設ける|コンテンツ間
    コンテンツの階層には少なくとも二つある。一つはコンテンツ間の階層(大コンテンツか小コンテンツかの階層)で、もう一つはコンテンツ内の階層(箇条書きの階層)だ。スライドの単位はあくまで一枚ずつになるので、内容が重要なスライドと比較的そうでないスライドに分かれるが、この違いを視覚的に表しておいた方が見やすい。
    私は、重要なコンテンツ(大コンテンツ)は見出しを「青地に白抜き」にし、重要度が下がるコンテンツ(小コンテンツ)は見出しを「青の下線」にした。事例や参考のスライドは小コンテンツとして示せば、聴衆も力の抜きどころがわかる。
  • コンテンツには階層を設ける|コンテンツ内
    箇条書きはインデントされていればまあ見れなくはないが、デフォルトの箇条書きだと印が小さくてやや見づらい。設定で大きくするとよし(統一感を出すために私は色もつけた)。
    そして下の階層へ行くにつれて、印のサイズや種類を変えるとさらに効果的だと思う。これで区別しやすくなる。私はそれに加えて色も変更して、薄めにしておいた。
    こうすることで、スライドの中にいわば奥行きが生まれて、まずどこを見ればよいのかが一目瞭然になったのではないか。
  • 文字の強調
    文字の強調の仕方はいくつかあるが、2種類(「めちゃ強調」と「まあ強調」)くらいあれば十分だろう。3種類だと多くて、重要度の順がわかりにくくなる。
    私は、キーワードの強調(往々にしてめちゃ強調)は「色太字」、文章の強調(往々にしてまあ強調)は「黒太字+色下線」にした。めちゃ強調が「色」のみだと色によっては黒の文字より小さく見えてしまうので、「色太字」にした。まあ強調は、めちゃ強調ほどではないが、ちゃんと目に入ってくるバランスを探ったら「黒太字+色下線」になった。
  • キーワードの説明は括る(さらなる強調)
    聴衆が後から何度か見返しそうなキーワード・立場の説明は、ボックスの色をグレーとかにして括っておくとわかりやすい。スライドをザーッと見渡したときに、そこで止まることができる。
    この工夫はNotionのCalloutでやっていたことをスライドで再現したもの。ちなみにこのグレーの色もNotionのCalloutからとってきた。関係ないが、NotionでCalloutすると絵文字つけなきゃいけないのどうにかしてほしい(絵文字をつけられるようにすると、不必要でときにミスリーディングな絵文字が増えるから)。
  • さようなら「:」、こんにちは「|」
    「:」は便利で、「例:〜〜」とか「〇〇主義:〜〜」のように多用され、実際私も使っていたのだが、コロンの代わりに「|」(バーティカルバー)を使うと見やすいことがわかった。私のスライドでも「:」を一掃して「|」に置き換えている。
    「:」より「|」の方が、細いので一瞥で他の記号や文字と区別しやすく、これによって、「|」を用いた項目説明的な要素と他のちゃんとした文章の要素とが見分けやすくなる。スライドの見出しを、「引用|〜〜」や「参考|〜〜」のようにするのも効果的。
    勉強会の告知やポスター発表などでも「:」をやめて「|」にすると、見やすく洗練された印象になる。もっと早く知っておけばよかった。
  • 引用|ボックスに入れる、余白も調整する
    テキストが多い系の分野でスライドをつくる場合、テキストを可能な限り圧縮することは大前提だが、とはいえ直接引用をする場合にはテキストが長大になりがちである。だからこそ見やすさにこだわりたい。
    結論から言えば「ここは引用ですよ」ということが一目瞭然であるべき、ということ。引用は、コンテンツの内容を書くボックスとは別のボックスに入れる(余白の設定もしなきゃいけないので)。もちろん枠線なしだとボックスに入れる意味が薄れたので私は枠線もつけた。ボックスの色を変えてもいいのだが、キーワードの強調と混同されないように注意すべき。枠線も太すぎると必要以上に目立つので注意。
    そして——これは引用に限らずテキストボックス全般に言える注意だが——テキストボックスの余白は十分にとること。
  • 引用|引用は強調とセットで
    わざわざ直接引用するのは、原文に間接引用では済ましがたい、すなわち自分の言葉では説明しがたい要素が含まれているからだろうと思う。しかし、原文をそのままベターっと貼りつけても、その原文がよっぽど明晰でない限りは、聴衆がその場で読んで即座に勘所を理解することは難しい。
    そのため、私は直接引用をする場合は強調とセットにするように意識した。つまり、長い引用の中で、注目してほしい部分を強調するということ。私のスライドでは、ここぞという部分を色太字で強調した。
    本当のことを言うと、引用の強調もシステマティックに(先の「文字の強調」の項目にあるように)「黒太字+色下線」で強調したかった。引用元の文章の強調の傍点はPowerpointではつけられない(つけるのに手間がかかる)ので、黒下線で代替したのだが、これは「黒太字+色下線」の強調と「下線」において重複するので、やむをえず「色太字」による強調をした、という次第。そんなに悪くはないと思うがどうだろうか。

 

おわりに

スライドの工夫はだいたい以上の通り。

私の身の回りには素敵で凝ったスライドをつくる方がチラホラといらっしゃる。スライドにアクセスしやすい方で言えば、銭清弘さんや難波優輝さんなどがそうだ。

researchmap.jp

researchmap.jp

お二方のスライドが魅力的であることは事実として、そうはいえ素敵すぎるからか真似できないという意味では、私がこれらから学べたことは少なかった。

以上で示した参考書を見たり、私のつくり方を手本としたりすることは、銭さんや難波さんのスライドより魅力が劣るようなことがあるとしても、真似しやすい簡単なやり方ではないかと思う。

私のスライドづくりの技術は依然として発展途上であるが、このやり方を適宜参考にすることで、私を含めた研究者が、スライドを洗練させて発表内容を的確に伝えられるようになれば嬉しい(そして私自身も整ったスライドを見かける機会が増えたら嬉しい!)。

今のこの言い方は不遜かもしれないが、学会などで見られる整っていないスライドの多さと、私がスライドづくりの勉強に費やした手間を考えれば、このような記事があったほうがいいだろうと思ったまでである。

*1:ちなみに、「デザイン」と言うと、「センスが必要なの?(私にはセンスないからどうせ無理だよ〜)」という反応があるかもしれないが、そんなことはない。

*2:文章の書き方であれなんであれ、この手の指南をする本は——当然だが——人をある特定のルールに縛りつけるものがほとんどである。もちろんこの縛りつけにこそ、それらの本の価値があるのだが、これが過剰になると辛くなるし、かえって悪影響な場合もある。特に生真面目な人間は注意が必要だ。

話を戻すと、ダメなスライドを眺めることで、拘束を解除して少し不真面目な状態に向かうことができる、ということ。真面目すぎる人間は少し不真面目な方に曲げてやらないとまっすぐにならない。

diary|2022/08

2022/08/30(Tue.)|今あなたを包んでいるのは、

博物館実習のときにいつも思うのだが、展示室・収蔵室でシャーペンやボールペンを使ってメモを取っている人が多くて、びっくりしてしまう。勉強熱心なのはいいことだとして、鉛筆を使いましょうという注意を聞いたことがないのだろうか。あるいは、自分で展示を観にいったときに注意されたことがないのだろうか。

紅茶フレーバーのピノが美味しい。が、それ以上にパッケージの裏のメッセージが面白すぎる。このメッセージを見るために既に3回くらいリピートしている。毎回ウケる。

ピノ 香り華やぐミルクティー

心身の調子がおかしくなり始めてから一年くらいが経とうとしている。まだ全然おかしいし、この先も当分おかしいだろうが、のんびりやる。

 

2022/08/29(Mon.)|博物館実習

ここ最近体を起こすのが辛かったのでのんびり過ごしていたのだが、今週は博物館実習があるのでなんとしてでも大学までやってこなければならない。

今日はなんとか間に合った。人の話を聞いたり、人と話をしたりして、視界が白んでなんだかクラクラした。とはいえ実習はまだ始まったばかりなのである。

以前、研究室の扉にWOMEN: WOVENのイベントポスターを貼っておいた。

が、今日研究室に来たら、イベントのポスターがなくなっていた。一応WOMEN: WOVENのイベントは終わったので、まあ剥がす理由はなくはないが。ただ、うちの部屋のポスターは、すでに終了したイベントのポスターでも貼りっぱなしになっているものも多いので、その中でどうしてこれが剥がされるのか……と疑問だった。裏紙置き場とかゴミ箱もざっとみたが、そこにないのもちょっと怪しい感じだ。もしかすると外部の誰かが持っていったのかもしれない(扉の廊下側に貼っていたので)。

いずれにせよ気味が悪いし気分も悪い。

 

2022/08/22(Mon.)|首が痛い

まじで首が痛いので一日中寝ていた。全身もだるかったし。先週調子が良かった分のツケを払った。

 

2022/08/21(Sun.)|君島大空ライブ、Stumptown Coffee Roasters、じじ読

午前中は読書会のレジュメをぱちぱちし、午後は君島大空のライブに赴いた。昼間からライブを観るのはなんか新鮮(14:00開演だった)。場所は京都文化博物館の別館で、重要文化財にも指定されているホール。

整理番号がまたも1桁台だった。セットリストは新曲も多めで、君島さんもなんだか気合が入っている様子だった。これまでの独奏ライブで一番アツかったと思う。

ライブの後は、Ace Hotel KyotoのロビーでStumptown Coffee Roastersのラテを飲んだ。サードウェーブ系のコーヒーは味が好きとかどうとか以前に、店舗のクリーンな雰囲気が大好きなので寄りたくなる。ここはいい雰囲気なのでまた来ようかな。UPLINK京都で『NTLive プライマ・フェイシィ』を観るためにどうせまたすぐ来るはずだ。

帰り道、半分空になってる建物を見つけた。

半分空になってる建物

とどめに、読書会も開いた。第14回じじ読。読書会中は騙し騙しでやっていたのだが、もしかするとぎっくり首をやってしまったかもしれない。上と横を向くことができない。無印良品で買った巨大な乳首みたいなツボ押しでひたすらほぐす。

まだぜんぜん痛い。

 

2022/08/19(Fri.)|栄える糺の森、寂れる研究棟

最近日記を書くのが楽しい一方で、凝りすぎな気もするのでもう少しテキトーにやりたい。

今日は朝から洗濯機を回して、大学に向かった。糺の森に改修工事が入っていたのだが、その覆いが取れた。明るくていい雰囲気。まだ入れないが、入り口が開けていて前より気軽に立ち寄れそうだ。ただもうちょっとベンチを置いてほしい。これから置くのかな。

糺の森

糺の森が綺麗に整備されるのとは裏腹に、私の通う研究棟は見るも無惨に寂れている。本当にひどいと思う(ここの天井の修理だいぶ長いことやってるし)。将来は綺麗なオフィスで仕事したい。オフィスが綺麗であることは仕事のモチベーションに直結する。

研究棟

午前中の間にOfferBoxに登録するなどの就活作業を済ませた。OfferBoxなら就活の辛さが少し軽減されるような気がする。

午後は、フェローシップとかを調べつつ、「すごい草稿」を修正して戻した。まだ締切までもう少しあるので、大学の先生に草稿見てくださいメールを飛ばす。

大学には、僕の専門が何かを知っていて、かつ申し込めば面談してくれるくらいの先生が5人くらいいらっしゃる。ありがたいことだ。

 

BALの1Fがリニューアルされるらしい。昨日行って気づいた。AKOMEYA TOKYOがなくなってしまうのは惜しい。通りに面していてディスプレイに華がなかったからだろうか。その場所にはJIL SANDERが入るとのこと。なんかもうラグジュアリー路線がすごいよ。

他にも色々と店舗の入れ替わりがあるのだが、驚くべきことに、BYREDOとDiptyqueが新たに入るらしい。いや既にフレグランス系としてBulyがおるやん? BYREDOもDiptyqueも3FのEstnationに取り扱いあった気がするが? などと疑問が浮かぶよくわからない采配である。

たしかに複合商業施設の1Fにフレグランス系の店を置いておくことは、その施設の入り口の印象を特徴づける(フレグランスのお店の匂いが施設全体のイメージに結びつく)。だが、3店舗はやりすぎだろう。互いの顧客を食い合って、結局いくつかは撤退することになるのでは。

 

ニューQの創刊号だけ手元になかったのでAmazonで購入したのだが(大学生協に注文したら品切れだった)、なんだかめちゃくちゃいいにおいがする。紙の本のいいにおいというより、フレグランス的ないいにおいが。おしゃれな雑誌は香りでも楽しませてくれるのか。

 

今日もまた凝った日記を書いてしまった。

 

2022/08/18(Thu.)|『バズ・ライトイヤー』、ミッフィー、newQ

早起きして8:45から上映開始の『バズ・ライトイヤー』を観てきた。朝だし終映間際だしほとんど誰もいないだろうと思ったら、本当に僕ともう一人だけだった。

入場特典って処理に困る

ソックス——おそらく手足の模様が靴下を履いているようだから「ソックス」なのだろう——とかいう猫がかわいかった。猫はしなやかな動きにその魅力が詰まっている。ただ、このソックスはあくまで猫型ロボなので動きもカクカクしていて、それがかえって可愛いのである。かまいたちの山内さんが声を当てているらしい。なんかピクサーの面白キャラって芸人が吹替していることが多い。(し、うまい。『トイ・ストーリー4』のチョコプラとか。)

細かい伏線回収がきっちり決まっていて、楽しい映画だった。

最近ヤクルト1000を入手したのでちまちま飲んでみている。そのおかげか寝起きがスッキリしている。悪夢を見がちになるのが玉に瑕だ。人殺したり拷問したりと、自分が悪いことする側の悪夢が多い気がする。

一昨日、ミッフィーのマグネットのガチャガチャを引いて、望みのものが得られなかったのだが、映画館で同じガチャガチャを発見したので、つい引いてしまった。今度こそミッフィーが出た。オバケミッフィーは出なかったが満足。

ミッフィーメラニー。どちらもえっちな種類のが出た

昨晩の大雨で鴨川が増水し、カモたちも困って河川敷でウロウロしていた。

カモ使いみたいなひともいた

夕方からはnewQの方々に色々と相談に乗っていただいた。めちゃくちゃためになった。

雨が京都の熱を流してしまったのか、夜は涼しい風が吹いていた。いつまでも歩けそうなくらい気持ちがよかったのだが、荷物をたくさん持っていて流石に暑くないわけではなかったので、家に到着した時点でそれ以上歩くのはやめておいた。

 

2022/08/17(Wed.)|休憩と活動の間

今日は自分的お盆休み最終日だったので、カフェに行っておいしいブランチを食べてきた。

ホットドッグ。おいしそうでしょう

シンプルなホットドッグなのだが、ソーセージに加えてキャベツをカレー粉で炒めたものが挟まっていて癖になる。パストラミビーフサンドやホットドッグは、比較的イレギュラーなメニューかもしれないが、私にとってはレギュラーだ。

週に一度くらいはここでお昼ご飯を食べるといいかもしれない。半年くらいそんなことを考えているのだが、あいにく休むのが下手くそなので依然実現できていない。

バケツをひっくり返したような雨が降って、しばらくバケツに水を溜めている間は雨が止んで、それからまたそのバケツをひっくり返したような雨が降って、という天気が続いている。夜もひどい雨だった。

 

2022/08/16(Tue.)|お買い物、送り火

竜王のアウトレットに行ったのだが、収穫が何一つなかったので、やけになってミッフィーのマグネットのガチャガチャをやった。メラニーが服をたくし上げているマグネットをゲットした。本命はオバケミッフィー、次いで他のミッフィーだったのだが、メラニーが出た。これはこれでかわいいので、研究室の在室表のマグネットにしようかな。

3年ぶりに従来の規模で送り火ができたそうだ。昼ごろから警察が鴨川のあたりを巡回していてご苦労なことだった。デルタ以南ではかなり人がごった返していたが、以北ではそこまで混んでいない印象。

点火前に(先祖が駄々をこねたせいで)ゲリラ豪雨が直撃したのだが、10分遅れで火がついて、さっきまでぐずっていた先祖も帰っていった。

もんじ

 

2022/08/13(Sat.)-15(Mon.)|帰省

帰省してのんびりしていた。持ってきた本は山口尚さんの『難しい本を読むためには』(ちくまプリマー新書、2022年)だけだったので、本からも離れて映画を観たりKindleで漫画を読んだりしていた。

姉の車にはバムとケロがいる。かわいい

バムの首の後ろが特にかわいい

『海が走るエンドロール』1-2巻と『チェンソーマン』の第1部を読んだ。

前者については、テーマからすでに十分面白いのだが、海のメタファーで語る部分は多すぎるかもしれない。ちょっとくどい。新キャラの空がこのメタファーを含め色々とかき回してくれることを期待。

後者については、やはり『東京喰種』とどうしても比べてしまって、そっちの方が面白いし読み応えあるくね?と思ってしまった。喰種ないし悪魔との戦いの場面は『東京喰種』の方が禍々しくていいと思う(『チェンソーマン』はキャラデザインが一辺倒な気もする)。とはいえ、概ね楽しく読んだので、時間があれば第2部も読むかもしれない。

『竜とそばかすの姫』も観た。これは本当にしょうもなかった。歌唱シーンは十分いいのだが、それ以外がほとんど安っぽい仕上がりだった。気に入らないポイントがいくつかあるのであげておく。(ネタバレ注意)

  • 前半で、鈴が自分の正体を明かさずに竜の正体を知ろうとするのが本当に不愉快。終盤で回収されるが。
  • ジャスティンおよびジャスティスは醜悪な自警団でイライラした(魅力がなく安っぽい悪役)。あのお父さんも安っぽい。
  • 吹き出しに声を当てたのはダサい。サマーウォーズよりもネットの声の大きさをたたみかけて示すためだと思うが、フラットな声を当てた方がより怖い感じになっていいのでは。
    • かわいい動物の動画に当てられる日本語、そして海外の再現ドラマなどで当てられるあのダサい日本語に通じるものがある。
  • 鈴、なんでわざわざお前が、しかも現実のお前が出向くねん。
  • (全体的な印象として)Uは、現実とは別の世界、やり直しができない現実とは異なる新たな世界であることが強調されるのだが、実のところ、現実べったりじゃねえかと思った。
    • アカウントは本人の生態情報から構成されるし、ジャスティスらを含めUの住人たちはオリジン——つまりアカウントに対応する現実の人間——を明らかにすることに躍起になっているし、最後に解決されるのも現実の側の問題であるし……
    • 結局、U(およびそのアカウント)は、現実の当の人間が発揮できない、発揮しうる隠れた能力を引き出すための都合のいい装置になっていた。

 

2022/08/12(Fri.)|帰省、researchmap

帰省しようとしたら新幹線が運転を見合わせており(小田原の方で線路に立ち入った人がいたらしい)、一時はいつ帰れるか目処が立たなくてだいぶ心配になった。とはいえ、JRの駅員さんはプロフェッショナルらしく、愛想よく丁寧に対応してくださって、新幹線も少し待っていたら流れ出したので、あまり遅くならずに到着した。ありがたい。

researchmapに登録した。おー。

researchmap.jp

 

2022/08/11(Thu.)|whataboutism

whataboutism——これはどうなん?主義(?)——は評判が悪い。というか「じゃあ〇〇はどうなんじゃ?」という反論は、論点ずらしのズルい一手だと考えられている節がある。

とはいえ、論点「ずらし」をするために必要になるであろう「基準の論点」がどれだけ用意されているのかが——少なくとも私には——分からないことがあるし、仮にそれがあるとして、その基準となる論点について何がしかの主張をすときには、ほとんど何らかの前提を置いているはずで、その前提の攻撃しうるという意味で、whataboutismはそんなに卑怯な手というわけではないのではないか。もちろん、しょーもないwhataboutismもあるだろう(こちらの方が多いかもしれない)が、原理的にwhataboutismはダメーというのは狭量だと思う。

銭さんの08/11の日記でwhataboutismについて書かれていたので触発されて書いた。(同日の日記の「pro tant」は、正しくは「pro tanto」?

 

2022/08/09(Tue.)|調子わるい、冷蔵庫とエレベータ

先週の金曜日あたりから調子を崩して、今日までほとんど寝たきりであった。ずっと寝ていると余計に調子が悪くなってくるし、できたら少しでも起きて活動したほうが調子が上向きになるのだが、それはあくまで「できたら」の話だ。ここ数日の私にとって、それはできない相談である。

子供の頃、不意に冷蔵庫の中は扉を開けていない間は真っ暗なのだとを知って、少しゾワっとした。冷蔵庫には部屋みたいに電気のスイッチがついていないので、扉の開閉を検知するセンサーで自動的に電気をつけたり消したりしている。なんてことは考えてみれば当然なのだが、電気がついている庫内しか見たことがなかったので真っ暗な庫内などは想像だにしなかったのだ。

それを知ってからしばらくは、冷蔵庫の扉を勢いよく開けたりして真っ暗な庫内を見ることができないか試したのだが、ついぞ叶わなかった。あるいは、扉を徐々に閉めることで、どの時点で電気が消えるのかを確認したりもした。確かに、ギリギリまで来れば電気が消えることは確認できるのだが、当然真っ暗な庫内全体を見ることはできない。見えるのはただ一寸ばかりの暗闇で、野菜や肉や卵が真っ暗な中に安置されている様子は拝めない。

このことを思い出したのは、前の勤務先のエレベーターでも似たようなことが起こったからだ。エレベーターも冷蔵庫と同様、電気のスイッチなどはついておらず、扉の開閉(あるいはボタンの押下?)によって電気は自動的につく。だから、真っ暗なエレベーター内という状態を想像する、あるいは気づく機会が少なかった。

その勤務先のエレベーターは——長時間利用されない状態が続いたのちに作動した場合——扉が少し開いたその瞬間に電気がつくような仕様になっていた。扉が数センチ開いた瞬間だけ中の暗闇が窺えるのだ。残念ながら(?)扉が半分ほど空いた時には電気がついており、普段利用する分には何ら不自由はないのだが。

ここまでは冷蔵庫の場合とだいたい事情は同じなのだが、エレベーターならではの要素があるとすれば、その中に入って利用するということだ。もちろん、ジョーカーよろしく冷蔵庫の中に入ることもできるが、それは適切な利用の仕方ではないし、例えば食品を保管する巨大な冷蔵庫も中に入ることはできるが、そこには普通の部屋のように電気のスイッチがあるだろう。

今や私は冷蔵庫がふだんは暗闇を閉じ込めていることに何も感じないのだが、さっきまで暗闇が入っていたエレベーター内に私自身が入ると思うと少しゾワっと感じるようになった。なぜかはわからない。

 

2022/08/04(Thu.)|『こちらあみ子』『トップガン マーヴェリック』

今日は完全なるオフということにして、映画を2つ観た。UPLINKでは『こちらあみ子』、MOVIXでは『トップガン マーヴェリック』。後者は2回目。

新風館は居心地がいい。半分外なのでやや暑いが。

こちら『こちらあみ子』

kochira-amiko.com

ホームページやチラシに次のような宣伝文句があったのだが、観終わった後でホント?と首を傾げた。

たのしいこともさびしいことも——
あみ子が教えてくれるのは、
私たちが“かつて見ていたはずの世界”

[中略]

いつも会話は一方通行で得体の知れないさびしさを抱えながらも、まっすぐに生きるあみ子の姿は、常識や固定概念に縛られ、生きづらさを感じている現代の私たちにとって、かつて自分が見ていたはずの世界を呼び覚ます。観た人それぞれがあみ子に共鳴し、いつの間にかあみ子と同化している感覚を味わえる映画がここに誕生した。

 (以下ネタバレ含む。)

このような宣伝文句に惹かれて、素朴な子供の映画かな〜と思っていたら、全然違ったのだ。いやまあ、素朴といえば素朴なのかもしれないが、ちょっと度を越している。

例えば、最初のデカいやらかしはなんといっても「弟のお墓」事件。流産して落ち込んでいる母親を思って(?)あみ子は、亡くなった赤ちゃんのお墓を庭に作るのだが——この時点でやばいやばいやばいやめろやめろとハラハラする——、完成したお墓を見せられて母親は発狂し、その後は精神的にだいぶ苦しい状態になる。しかも、本当は亡くなった赤ちゃんは弟じゃなくて妹だった。おいおい。(あみ子はふだん親からも疎まれていたために、新しい赤ちゃんの性別も伝えられていなかったのではないか。)

それに、映像的に張り詰めたシーンも多く、「今度は何やらかすんだよあみ子…」という緊張感が続いて、自由奔放なあみ子の生活を楽しく眺める、という映画ではなかった。辛い映画としては面白かったが。実際、あみ子は毎日学校に行っているわけではなかったし、中学生になっても漢字が読めなかったり、幻聴・幻覚があったりと、発達障害であることを窺わせる描写が多かった。

あみ子の奔放さは、(当事者を除いては)分かり合えない謎の存在のそれであって、誰もが子供時代を思い出すことで簡単に共感できるようなそれではないと思う。この凸凹を「まっすぐに生きる」と謳う宣伝文句はちょっとどうなんだろうか。繰り返しますが、映画は面白かったです。出町座でも今度やるらしい。9月2日から。

demachiza.com

トップガン』についてはまあいいや。2回目だったし、そこまでワクワクはしなかった。今週で終映らしいから、映画館で観収めておくかと思っただけ。

繁華街の方に来たので、BALなどを彷徨いた。リーディングルーペを探していたのだが、あまり取り扱いがない。うーむ。ついでにエディオンにも行って、キーボードも物色したのだが、やっすいキーボードしかなくてテンション下がった。あと、エディオンとかヨドバシとか、家電量販店は物が多すぎて疲れている時に行くものではない。調子が悪くなる。Amazonの方がまだマシである。

なんも収穫ないまま引き上げるのは癪だったので、藤井大丸のOSAJIでハンドクリームを買った。ジェルみたいなテクスチャでベタベタせず、使いやすい。グッド。

osaji.net

 

2022/08/03(Wed.)|髪を切ってカッコよくなった

髪を切ってカッコよくなった(当者比)。ついでに病院も行って、そのあとは世の無常について語らったりしていた。

 

2022/08/02(Tue.)|ukaのオンラインストアがダサい

中間発表を覗いて、多方面にメールを送りまくり、読書会の情報を更新していたら一日が終わった。

最近ささくれをちぎりすぎて指が恥ずかしいことになっている。ネイルオイルとかを買った方がいい。ukaのネイルオイルがよさそう。これとか。

uka.co.jp

ちなみに、ukaのオンラインストアはかなりダサいので、みんな見てほしい。とりあえず商品名が救いようがないくらいダサいのだが、個々の商品ページにて、その特徴や素材が「本物の技術」「本物の感性」「本物の気配り」という項目のもとに説明されていて、この日一番の笑顔になってしまった。店舗の雰囲気がいいのに、玉に瑕である。

 

頑張りすぎなのでもう少し休みたい。明後日は一日オフとする。

 

2022/08/01(Mon.)|日記ってどうやって書くんだっけ?

一ヶ月ぶりに日記を書いている。7月は学会発表やら原稿やらで大変なことになっていたので、それどころではなかったのだ。日記がないとツイートが増えがちなので(そしてツイートが多いのは好きじゃないので)、8月はちゃんと書く。

今日中に提出してしまわなければならない原稿があって、作業するために大学までやってきた。学期ももう終わったらしく、人が少なくて結構なことだ。

研究室に着いたところで、今日が一つ上の先輩たちの中間発表であることに気づいたので、朝と昼はそれに参加した。中間発表が終わった先輩をとっ捕まえて原稿を読んでもらって、そして提出した。この原稿は、哲学若手が終わるまでずっと放置していたのだが、一週間くらいの突貫工事で完成させた。その割には、なかなかいい出来になったと思う。

 

7月に買ってよかったものは緑のドラえもんだ。本当にかわいい。親に自慢したら親も買ってた。

www.uniqlo.com

かわいい